2004/09/22

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「さて」などと声に出してみたところで,どんなレスポンスも返ってこないことを僕は知っている.さすがにそこまで馬鹿ではない.とはいえ,「誤っているとわかっていることを回避する」能力は僕には備わっていない.

 あれから6ヶ月が過ぎようとしている.そして,それは何度でも,おそらくは,何度でも僕の前を通過していく.

 あれから,ひとつのことだけを散々考え続けてきた.「一度損なわれてしまったものは二度ともとに戻ることはない」.村上(ドラゴンの方ではない.彼の文章はあまり好きではない)の影響だろうか.「損なわれる」という言い回しは彼の文章によく見られる.まあ,仮にそうだったところで,誰にも迷惑はかからないだろう.どうせ,どんな知識だって誰かからの受け売りなのだ.とにかく,僕が,僕自身がそのことを考えていたということがここでは(おそらくは僕だけにとって)重要なのだ.

 自分自身が「考えている」という状況に至った原因についてたどることも,好んでよくやったように思う.思考という状況ではなく,感情についてもそれは同じだろう.何らかの感情が生じる過程にあっても,やはりそこには思考が存在しているはずであって,その原因をたどることはわりと容易いことだった.

 それはつまり,僕という存在の底の浅さを露呈しているということかもしれない.だけれども,僕にあっては,感情の原因となる思考は,それの近くにあることが多くて,それを押しとどめたり,捻じ曲げたりすることは簡単だった.あるいは,簡単なことが多かった.あるいは,「簡単になってきた」.

 二度と元に戻ることのな損なわれてしまった時間を過ごしていく上で,それは重要なことだった.生きていくうえで,換言すれば,他人とインタラクトしなければならない状況にあって,それは「僕にとって」必要なスキルだった.

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