2009/10/31

WILL

なんだか,昔の輝きを失ってしまったような気がして,それほど積極的に読まなくなっていたんだけれども,「MOMENT」の続編ということで読んでみた本多孝好の新作.

 内容は「MOMENT」のカウンターパートとしてつくられているようで,“ある程度は”おもしろく読むことができた.一応タイトルに関わる謎かけ的なこともしてあるんだけれども,前作(だったっけ?)の「チェーンポイズン」ほど(これについてもそれほど優秀なトリックではなかったけれども)の大仕掛けではない.なるほど,とは思うけれども,それ以上に「MOMENT」と対になるはずの本作のタイトルに「WILL」などというセンスのない言葉を持ってこざるを得なくなることの動機付けにはならないように思う.

 「MOMENT」と比較して,いろいろと内容に文句をつけたい部分はあるのだけれども,僕はどんなストーリィも作品内できちんと収束させてほしいと思う人間なので,本作がつくられたこと自体は歓迎したいと思う.ただ,読了してから我慢できずに「MOMENT」を読み始めて本作のラストに矛盾を見つけてしまった.まあ,チェックミスというか忘れてただけなんだろうけれども,

“本作の二人は本当に「MOMENT」の二人なんだろうか”.

これこそが,本多の仕掛けたトリックであったとしたら,ちょっとぞっとするくらいに感心する.

WILLWILL

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MOMENTMOMENT

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孤独のグルメ

カナダの件の続きを書いてないんだけれども,読書メモを少々.

 本作は某所でネタになっているのを見ていらいずっと気になっていた.例によってアマゾンで買ってもよかったのだけれども,漫画なら通常の書店でも割と種類がおいてあるので直接買いに行くつもりでいた.で,実際にいきつけの店で探してみたものの,置いていない.ああ,こんな手間をかけるんだったら発注しておけばよかったなどと思いつつ,一冊だけだと送料がかかることと(そういえば今一冊からでも送料無料キャンペーンをやってたような気もしてきた),受け取りが面倒なことを考え合わせるて,カートには追加したものの注文ボタンはクリック出来ずにいた.

 で,今日車のディーラにせっつかれて点検に行ったついでに,高松では最も品揃えがいいと思われる書店に行ってきた.一応事前にこの店には在庫があることと,だいたいの棚の位置は確認していたので,すぐ見つかるだろうと思って探してみるものの,見つからない.出版社は扶桑社であることを記憶していたので,それを基に探そうとするも,扶桑社の漫画本というカテゴリ自体がほとんどないのか,集まっている場所すら見つけられない.いったんはあきらめて仕事の本でも漁って帰ろうと考えたんだけれども,やはり“あるはずなのに見つけられないのはおかしい”と思って再度漫画コーナへ.いい加減この辺で店員に在庫を確認すればいいんではないかなどということも思ったのだけれども,どうも書店で“この本はないのか”という質問をするのは(たとえそれがどんなジャンルの本であったとしても)思想検閲を受けるような感じがして好きではない.まあ,人に自分の本棚(もしくはブックマークとか)を見られるのがいやだという感情のようなものかもしれない.

 この,棚からあるはずの物を探し出す,という行為はどうも普段の仕事と共通している部分があるよなぁなどと思いつつ,もう一度あるはずの場所を見渡していると,(しばしばあることなんだけれども)平積みされていた.

 アパートに戻って,早速読んでみる.これは,期待に違わぬおもしろさだとすぐに感じた.いや,特におもしろいわけではない.吹き出すようなおもしろさではなく,おかしみ,というか,興味深さとはすこし違うけれども,おそらくは読み手によっては何がおもしろいのかわからない類のおもしろさだった.僕の中では,わたせせいぞうの「TOKYO BLUE」と同じカテゴリに分類される.

 内容的には,一人の男が一人で食事をするというだけの漫画ではある.さらに,取り上げられる店は有名店ではない.あるいは,有名店も含まれているのかもしれないけれども,店や料理を紹介することが目的ではなくて,一人で食事をするということが主題なんだろうと思われる.そのためか,題材にはコンビニや病院食まで出てくる.

 各話の最後の一コマの醸し出す雰囲気や,基本的に食べていないときにはどこか空虚で達観したかのような表情の描き方などから,はじめに目指したという“ハードボイルドグルメ”というの狙いは一応達成されているように,思われる.けれども,本作の本当の魅力はそこにあるのではなく,やはりこのキャラクタが創り出すおかしみにあるのではないかと感じた.

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2009/10/12

高松-成田-トロント

 前回ヨーロッパに出張した際には,関空から出発ということで早朝から高速バス利用というストレスフルな日程だったのだけれども,今回は常識的な時間に地元空港発というまともな日程.とはいえ,一週間近く空港の駐車場に車を置いておく訳にもいかないと考えて,タクシーにて空港入り.あまり何も考えていなかったのだけれども,このタクシー代が結構高くつくことに移動中に気づく.後で調べてみると,往復タクシー利用よりも空港に一週間駐車しっぱなしの方が安いことが判明.まあ,別にいいけど.

 で,搭乗時刻までかなり余裕を残して空港着.チェックインカウンタの前で,同行するA先生を待った後,出発となった.よく考えると,徳島時代からJALばかり利用していたのでANAの便を使うのはかなり久しぶり.というか,たぶん羽田のANA側のターミナルに到着するのは初めてだったように思う.JALでもかなり僻地に到着していたように思うんだけれども,それ以上の長距離を歩かされてようやくバゲージクレームを発見.

 スーツケースをピックアップした後,バスで成田に移動.一時間程度かかった上に,異様に厳重な警備の空港に到着.初成田なので,よく知らなかったけれどもバスで来た場合でも(一応)旅券の確認が徹底されている.普通車はふつうにトランクの中身も調べられていて,僕がこれまでに国内で行ったことがある場所の内で最も厳重に警備されている場所であるように感じた.まあ,主に空港反対派によるテロを警戒しているんだろうけれども,アクセスもよくないし国際線に関しても羽田を拡張する方向で考えていった方がいいんではないかなどと思った(これは帰国時により強く感じることとなる).

 今回はエアカナダを利用するので早速カウンタまで行ってみるものの,チェックインまで数時間あり,ここで両替と食事を済ましてしまうことになった.前例からいってもほとんど現金は使わないと思われたものの,念のため5万円をカナダドルにしておく.食事後,普段あまり話をする機会のないA先生と世間話をしているうちに時間が迫ってきたので,カウンタへ移動.係員に自動チェックイン機に誘導されたので,A先生がチェックインするのを横目で確認しつつ,席を確保.成田-トロントについては何とか通路側を確保することができたので,トロントからの乗り継ぎ便は面倒になってそのまま確定.

 出国審査も問題なく通過し,しばらく待機した後エアカナダのB777に搭乗.ほぼ満席だろうと思っていたら,A先生の隣は空席だったらしく,かなり楽だったとのこと.僕自身も中央の3列並びの端,かつ隣は二人組という状況だったので特に窮屈さは感じなかった.それと,以前のKLMの場合と比べてシートの間隔がかなり余裕をもったセッティングになっていて割と楽に足を組めるくらいだったこともよかった点.前回のヨーロッパ行きの際の教訓をふまえて,寝るために睡眠薬(市販のドリエル,余談だけど今回の購入時にドリエルのゾロみたいな薬もあることに初めて気づいた)とiPODとインナーイヤー型のイヤホン,IBS対策としてストッパ(結局これは使用せず),インフルと乾燥対策としてマスクを持ち込み.はじめの食事が終わった後,ドリエルを規定量服用するとしばらくして頭がくらくらする感覚があって,多少の努力は必要だったものの入眠することができた.結局微妙に目が覚めつつではあったものの,前回ほどのストレスを被ることなく十数時間のフライトを終えることができた.ちなみに映画は一切見なかった.機内食に関しては,あまりいい噂を目にしていなかったものの,普段からまともな食事をとっているわけではないのでそんなに不満はなし.そもそも,あんなに劣悪な環境の下では,どんなにいい食事をだされても環境によるマイナス点の方が大きくてきちんと評価なんてできないと思うんだけれども.あと,当然見ただけだけど,ファーストクラス的な席の快適性はあまり高くなさそうに感じた.

 レスター・B・ピアソン国際空港(いわゆるトロント空港.しかしこんな名前にしてわかりづらくないんだろうか)に到着後,入国審査場へ.空港内を移動中,connectionとか書いてあって微妙に乗り継ぎ用みたいな場所があるんだけれども,ここはconnectionの横にアメリカ国旗がくっついていたことから考えると,アメリカへの乗り継ぎ用の窓口だったと思われる.カナダ国旗がくっついたconnectionの表示に従って進み,エスカレータを降りると予習通りwelcome to CANADAの表示のあるガラス張りの入り口があって,審査場へ入ることができた.前回のスキポール空港では日本並みに適当な審査しかなかったので,今回もそんなものかと考えていたら,前の人がかなりいろいろ聞かれている雰囲気だった.で,「どこから来たのか」「何しに来たのか」の定番質問からはじまり,「どこをまわるのか」「いくら持っているのか」「だれと来たのか」などとかなりしつこく聞かれた上,別室送りになった.ここでさらに,「宿泊するホテルの書類を見せろ」(日本語で書かれたものを渡してやったら,中国人か?などと言われたので即座に否定)「職業は」「一緒に来た人間(A先生)とはどうやって知り合ったのか」「観光というが何を見に来たのだ」(と,この質問でつまる.いや特に来たくて来たわけではないんで見所とかも調べてないんですけど,なんてことを言えるわけもなく,“言うべき理由は持ち合わせているんだけれども英語でうまく表現できない”という感じの演技をしていると,A先生の審査をしている審査官とごそごそ話をした上でスタンプを押してくれた).滞在期間は六ヶ月となっていたので,まあとりあえず普通に入国させてもいいと判断されたと思うんだけれども,よく考えてみると“職場の”“友人が”“男二人連れで”“各地を転々と”“観光する”なんてのは客観的にみて結構怪しかったのかもしれない.その後,税関でも引っかかり(これは審査の最初の段階で怪しい判定を受けた時点でスルー出来なくなったようだった),スーツケースを開けて審査されるような場所に行かされたのだけれども,ここでは適当に受け答えをしていたら,じゃあいいよ,ということになって数分で通過.国内線への移動通路でA先生を待つものの,なかなか出てこない.警備員にじろじろ見られながら連れを待っているんですよアピールをしばらく続けていると,ようやくA先生も解放.ちょうど乗り継ぎ便が数十分ディレイになっていたので多少余裕はあったものの,急ぎつつモントリオールへの国内線乗り継ぎ口へと向かった.

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