ライトノベルはあまり読まないのだけれども,全く読まないわけではない.ある程度まとめて読んだのは,はじめがブギーポップシリーズ.……正直あまり印象に残っていない.続いて,「イリヤの空,UFOの夏」.昔書いた感想を読み返してみると,この作品がハッピィエンドかそうでないかということに,延々と字数を費やしている.ただ,当時下した判断は“佳作”であって,今でも時間があれば読み返したい作品である(既に完結してるし).そして,半分の月シリーズを読んだ.これに関しては“あまり印象には残っていないけれども,時間があれば読み返すかもしれない”作品といったところ.ただ,著者には興味を持ったんで,別のシリーズを読むかもしれない.
その後読んだのが今作である.そして,ものの見事にはまってしまった.既にネット界隈では話題になっていて,それが入り口になったのは否定しない.いろいろが理由があるようなことは聞いている.でも,何らかの経済的事由があったにせよ,本作自体の持つ魅力がこの流れに寄与していることは,少なくとも本読みにとっては自明であると思う.
読みながら,SFと学園ものの混合比率から,往年の名作「究極超人あーる」を想起した.まあ,比較をし始めても仕方ないのでしない.しかし,よくこれだけ尖ったキャラクタをうまくまとめられるものだ.概念上の宇宙人・条件付きの超能力者・そして未来人である必然性があまりない未来人,……その他諸々.あ,ロボットがいるわけではないのか.と,今書きながら思った.
はじめの「憂鬱」が傑作なのはもちろんなんだけれども,それ以上にこのシリーズに対する評価を高めたのが4作目の「消失」である.“である”なんて書くのは,既にそういう主張をそこここで目にしているからで,いまさらここに詳細を書くつもりはない.ただ,この「消失」におけるミステリとタイムトラベルものSFという組み合わせ方から,貫井徳郎の「さよならの代わりに」を思い出したことを記録しておきたい.
今はアニメ版がいささか過熱気味ともとれる人気を集めている(まあ,僕も放送を楽しみにしている一人であり,その品質の良さはすばらしいと思う).ただ,この騒ぎが収まった後,著者はこの大風呂敷をどうたたむのか,それが本当の見所だと思われる.ラノベの終わり方には何種類かあるものの,大部分の傑作といわれるシリーズはグダグダ続くか,尻切れトンボになってしまうらしい(聞きかじり情報.そういう意味でいうと「イリヤ」は幸運な部類ということになるのか).ただ,一般小説(こういうくくりはどうかと思うけど,こっちは書き下ろしに近い形態のものがほとんどだ)の読後に感じる,“このキャラクタが動くのをもう少し見たい”という願望を割と簡単に叶えてくれるのがラノベであって,それが作品にどう影響するのかは作家のタイプに依存するのではないかと思う.
グダグダ書いたけど,とにかく今後に期待ということで.
(とりあえず最新刊を.以下は参考までに)
秋山 瑞人〔著〕
橋本 紡〔著〕
ゆうき まさみ著
貫井 徳郎著
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