本作は某所でネタになっているのを見ていらいずっと気になっていた.例によってアマゾンで買ってもよかったのだけれども,漫画なら通常の書店でも割と種類がおいてあるので直接買いに行くつもりでいた.で,実際にいきつけの店で探してみたものの,置いていない.ああ,こんな手間をかけるんだったら発注しておけばよかったなどと思いつつ,一冊だけだと送料がかかることと(そういえば今一冊からでも送料無料キャンペーンをやってたような気もしてきた),受け取りが面倒なことを考え合わせるて,カートには追加したものの注文ボタンはクリック出来ずにいた.
で,今日車のディーラにせっつかれて点検に行ったついでに,高松では最も品揃えがいいと思われる書店に行ってきた.一応事前にこの店には在庫があることと,だいたいの棚の位置は確認していたので,すぐ見つかるだろうと思って探してみるものの,見つからない.出版社は扶桑社であることを記憶していたので,それを基に探そうとするも,扶桑社の漫画本というカテゴリ自体がほとんどないのか,集まっている場所すら見つけられない.いったんはあきらめて仕事の本でも漁って帰ろうと考えたんだけれども,やはり“あるはずなのに見つけられないのはおかしい”と思って再度漫画コーナへ.いい加減この辺で店員に在庫を確認すればいいんではないかなどということも思ったのだけれども,どうも書店で“この本はないのか”という質問をするのは(たとえそれがどんなジャンルの本であったとしても)思想検閲を受けるような感じがして好きではない.まあ,人に自分の本棚(もしくはブックマークとか)を見られるのがいやだという感情のようなものかもしれない.
この,棚からあるはずの物を探し出す,という行為はどうも普段の仕事と共通している部分があるよなぁなどと思いつつ,もう一度あるはずの場所を見渡していると,(しばしばあることなんだけれども)平積みされていた.
アパートに戻って,早速読んでみる.これは,期待に違わぬおもしろさだとすぐに感じた.いや,特におもしろいわけではない.吹き出すようなおもしろさではなく,おかしみ,というか,興味深さとはすこし違うけれども,おそらくは読み手によっては何がおもしろいのかわからない類のおもしろさだった.僕の中では,わたせせいぞうの「TOKYO BLUE」と同じカテゴリに分類される.
内容的には,一人の男が一人で食事をするというだけの漫画ではある.さらに,取り上げられる店は有名店ではない.あるいは,有名店も含まれているのかもしれないけれども,店や料理を紹介することが目的ではなくて,一人で食事をするということが主題なんだろうと思われる.そのためか,題材にはコンビニや病院食まで出てくる.
各話の最後の一コマの醸し出す雰囲気や,基本的に食べていないときにはどこか空虚で達観したかのような表情の描き方などから,はじめに目指したという“ハードボイルドグルメ”というの狙いは一応達成されているように,思われる.けれども,本作の本当の魅力はそこにあるのではなく,やはりこのキャラクタが創り出すおかしみにあるのではないかと感じた.
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