2005/07/03

ワトソン君,冷たい風が吹いてきたね(2).

 話は飛ぶ.最近,本当につい最近気にかかりはじめたことだ.

 今僕が所属している研究室が入っている建物の周囲に変な人間が出没している.いや,変な人間ではないのかもしれないけれども,少なくとも,怪しい雰囲気をもった二人連れがいるのだ.

 僕は喫煙者で,喫煙者は社会の疎まれ者なわけで,さらには実際疎まれるべき存在なわけで,建物の外の,しかもできるだけ人がいない場所で煙草を吸わなければならない.もちろん夜中が近づけば,建物の周囲にも人はいなくなる.そういう頃になると,どうも闇の中で動いているものに目がいってしまう.

 はじめは警備会社の担当者だと思った.だけれども,彼らは制服を着ていなかった.とはいえ,僕が彼らを警備会社関係者だと思ったのには理由がある.彼らは全く同じ格好をしていたのだ.よくある色のオックスフォードシャツにブルージーン.ご丁寧にもタックインしている.

 向こうと視線を合わせないようにしながら観察していると,となりの学部の建物に裏口から入ろうとして,それはできず(既に施錠されている時間だ),次は非常階段のあたりをうろついている.そこから上に登っていくのかと思うと,今度は建物の裏側へ回っていった.

 そのくらいで僕は煙草を吸い終わったので,特に何も考えずにセンターに戻った.ただ,研究室に向かいながら,“建物の裏側には何かの記念碑か慰霊塔のようなものしかない”ということに思い至った.とはいえ,しばらく経つと雑事にまぎれて,このことは忘れてしまったいた.

 それが,今日,部屋に帰ろうとして自転車置き場に向かっている途中に,また彼らに出会ってしまった.

 前回と全く同じ格好,同じ場所,同じ行動.

 しかも今回は目をそらす暇はなく,彼らは何度も僕の方を振り向きながら建物の裏へと向かっていく.

 彼らは誰なのだろう.そして,建物の裏には何があるのだろうか.

0 件のコメント:

ブログ アーカイブ