ずいぶん時間が空いてしまったけれども,まだ生きている.
例の無駄な時間が過ぎ去った後,また,前のように目の前にぶら下がったにんじん(S川センセが言うところの,“世界中で僕だけしか考えていない謎”)を必死に追いかけていた.でも,それはまたしても取り上げられてしまった.
まあ,でも僕はもうプライドも何もない“犬”になろうと決めてしまったので,次のにんじんを目指して走り出す心づもりではいる.
別のレーンを走る人達がうらやましくはあるし,正直今回のにんじんにはかなり思い入れがあったので,失恋したような気分になった.
これまたずいぶん時間が空いてしまったけれども,「シンセミア」をやっと読了.こんなに時間をかけて本を読むのは久しぶりのように思う.
システム的には「屍鬼」に似ている.だけれども,そこに描かれるのはぞっとするような現実だ.もちろん,フィクションなのだから,現実ではない.ただ,まるで“現実”かのようなフィクションなのだ.物事を主題にするのではなく,場所をフィックスして,描かれる物語という印象を強く受けた.
もう一つ思ったのは,読みにくいなぁ,ということ.僕はたいていどんな小説でも,主要な登場人物に感情移入して読む.意識してそうしている訳ではないけれど,たいていそうなっている.「シンセミア」ではそれができなかった.あるいは,しづらかった.
それは,おそらく一人として感情移入してもいいというような登場人物がいなかったせいだと思う.登場人物に善人がいないということではない.理解したり,自分を重ね合わせたいと思えなかったということだ.このことも,「シンセミア」の“現実”感を増しているように思う.
(現実には,感情移入したくなるような人間はあまりいない.たぶんそうだからこそ,人はみなフィクションを鑑賞するのだと思う)
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