もうずいぶん昔,学部学生だったころ,家族法の講義を受けていた.特に興味があったわけではなく,ただ,試験がノート持ち込み可だったので受講することにした.実際のところ講義そのものはあまりおもしろくはなかったけれど,講師(ていうか,たぶん他大学の教授だったと思う)のS井センセのキャラクタが好きだった.
割と堅物で,卑怯なところを許さないという態度に,何か共感するところがあったんだと思う(まあ,専門が法律だったらどうしてもそうなるか).で,そういう講義の中で“是非見て頂きたい映画がある”ということで,「クレイマー,クレイマー」が紹介された.
かなり古い映画で,これまたかなり昔,父親が夜中に一人で見ていたのを覚えている.そのときはつまらなさそうだったので,スルーしたっきりレンタルすることもなく,テレビ放送に行き当たることもなかった.で,そのことがなんとなく頭の中に引っかかっていて,先週やっと録画することができた.
借り物のDVDのことも頭をかすめつつ,午後から見ていた.非常に良かった.まず,ダスティンホフマンが若い.そして,コンピュータが一台もない広告代理店という時代背景.その時代に扱っているテーマが,子供の養育権問題.あるいは女性の自立というテーマ.あるいは,アメリカではとっくに社会問題化していたのかもしれないけど,いわゆる「恍惚の人」的な問題提起型の映画だったのだろうことは想像がつく.
古い映画ではあるのだけれども,映像が美しい.「ノッティングヒル」並みに美しい.DVDが欲しいくらいだ.何回か繰り返される公園(あるいは街路)のシーンは圧巻……とは書かないが,その静かな存在感が置き換えがたい重要性を訴えかけてくる.
それから,構成もきれいだった.ループするようになっているというか,シンメトリックというか,最後まで見ると“ああ,なるほど”と思わされる.
ということで,DVDウエイティングリストに追加.
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